嬉染居は1991年より京都で日本古来の天然藍染を行なってます。淡い色から濃色まで5段階の色を楽しんでいただく「無地シリーズ」、絞りを施した「京鹿の子絞シリーズ」を展開しています。
日常を大切に。
嬉染居がたいせつにしているのは、日常の暮らし。
暮らしの中で、日常的につかうもの。目にするもの。
それらが心地よいものであれば、日常が豊かになる。
布に触れた時の、心地よさ。使い勝手。
そうした「心地よさ」が伝わる「モノ」を提案しています。
そんな心地よさにアクセントを与えるのが、藍の役割だと思っています。
日常を大切にするあなたにお使いいただき、
嬉しい思いがあふれることを願って、ものづくりに励んでいます。
日本古来の藍染は、鮮やかで色移りしない
嬉染居は、日本古来の技法で藍染をしています。
それは、発酵液で染める藍染。
木を燃やした灰に熱湯を加えた上澄み液「灰汁(アク)」と、
藍草の乾燥葉に水を加えて発酵させた日本独自の藍染染料「すくも」。
この2つの素材を270リットルの陶製のカメに入れて発酵させる。
この陶製のカメを「藍瓶(アイガメ)」と呼んでいます。
藍瓶の中の発酵液の色は、茶色です。
けれども、その中に浸けた布を引き上げると、
茶色からミドリに色が変わるのです。
このミドリの布を水で洗うと、茶色が抜けて、青だけが残ります。
洗ったときの水は茶色。
青色の色素がしっかり布に定着している証拠です。
【嬉染居のものづくり】
時代を超えて愛されるものをつくりたい
ついつい手にしてしまうものって、ありませんか。たとえば、ヘビーローテーションで着てしまうTシャツ。たとえば、出かける時についつい手にしてしまうかばん。ついつい使ってしまう理由はいろいろありますが、すべてに共通しているのは「心地よさ」です。
嬉染居は、使い心地の良さを大切に思い、素材を厳選。デザイン、軽さ、耐久性など、アイテムごとに「ついつい使ってしまう要素」を詰め込んでいます。
ものづくりは素材づくり
新たなアイテムをつくるのは、2つのパターンがあります。
ひとつは素敵な素材に出会ったとき。かばんづくりはこのパターンの代表アイテムです。
もう一つは、オリジナルの素材をつくるパターン。ニットのTシャツ、布帛のシャツなどの衣類系は、イメージに合わせた素材を作るため、糸の太さや撚り、密度、織り方(編み方)などすべて考えてオリジナルの素材を作っています。
東京・南青山スパイラルの個展会場で「昨年購入したTシャツがとても気持ちよかったから、同じTシャツでデザインの違うものが欲しくて来たの。」とおっしゃるお客さまがいらっしゃるのは、ほんとうに嬉しく思います。モノを通じて作り手のコンセプトが伝わるって、とても素敵なことだと思っています。
京鹿の子絞について
生まれた時から身の回りにあった京鹿の子絞。ものごころついた時には制作現場にいたので、さまざまな技法のものを扱ってきました。
中でも一番好きな技法は、小帽子絞り。直径10mmほどの小さな○の絞りです。これをお花のカタチい5つならべた「梅」のデザインの羽織は定番のアイテムで、糸入れ・染め・小帽子・染め・解き・の各工程で検品作業するたびにワクワクしていました。
今も小帽子絞りをデザインしながら、このワクワクを感じています。
【嬉染居のプロフィール】
1987年 京鹿の子絞のきもの(絹)の藍染をはじめる。
1991年 京都に藍染工房「嬉染居」が完成。藍甕の管理をはじめる。
1995年 江戸時代の小袖の復元プロジェクトに参画。同時に藍以外の天然染料の染めを開始。
1996年 絹以外の藍染をはじめる。
1997年 アパレルブランドの服地の藍染を手がける。
2004年 藍染工房にSHOPを併設。展子と共同でKiSENKYOブランドを立ち上げる。
2008年 東京・南青山スパイラルにて個展開催。(継続)
2010年 京都造形芸術大学(現京都芸術大学)京都学講師。(継続)
2012年 南丹市日吉町胡麻に移住。仮工房にて染色を続ける。
2014年 南丹市日吉町胡麻に藍染工房新設。
2018年 台湾国際芸術大学「HUMANITIES ACROSS BORDERS」参加
京鹿の子絞振興共同組合会員